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人生ミスっても自殺しないで、旅

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聖地巡礼ならぬ哲学者の天才、ヴィトゲンシュタインマニアが贈る旅行記。生と自殺をめぐる生々しい思索の記録としても秀逸の作品である。

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書籍情報

出版:晶文社
著者:諸隈元
出版年月日:2021年7月
サイズ:単行本
ページ数:440ページ
ISBN:978-4794972453
配送方法:スマートレター

内容情報

僕は死なずに帰ってきた。
そして、少しだけ“幸福”になっていた。
人生ミスったら、自殺しなければならない。
そう信じて夢破れた男が出かけた欧州独り旅。
道に迷った彼に贈られた言葉は「エンジョイ」。
語りえぬ体験談を語り尽くす哲学的紀行エッセイ。

大学卒業後7年間自宅に引きこもり、ひたすら一作の小説を書くも結果が出ず、
まるで将来の見通しは立たず、未納が続く国民年金は当然もらうべくもない、
苦しくも貧しい老後の見通しだけは立つ。
その上、いわゆるリーマンショックの翌年ゆえ、ろくな仕事の求人もない。
むろん恋人はおろか、友人もいない。つまり、人生お先真っ暗だ。
――そして、絶望と失意のもと、彼は全財産の40万円を持って当てもなく漂うように欧州へ旅立った。

度重なる沈黙。通じない言語ゲーム。見つからないバスタブ付きの宿。
イギリスで敬愛する哲学者の墓参り、ルーマニアで野犬に追われ、
クロアチアでカレーを奢られ、ウィーンでベートーヴェンを聴き逃し、
ドイツでホームレスを経験後「あっ」という間に自宅に帰ってきた
ヴィトゲンシュタイン情報蒐集家兼小説家兼法律事務所アルバイターは
なぜ自殺しないで生きのびたのか。

ツルツルした理論文学論考から、ザラザラした文学探究の世界へ。

著者

1978年、静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学(入学直後、一般教養科目の「哲学」でヴィトゲンシュタインの存在を知るも、彼が何を語っているのか全く理解できなかったため、哲学科に進もうとは全く思わずに)東洋史学科卒。在学中の2000年、卒業後の2015年、慶應大学プロレス研究会認定世界ヘビー級チャンピオン戴冠。2014年、文學界新人賞受賞(2021年現在も受賞第1作は未発表)。主食はラーメン二郎(関内店)、趣味はピザ巡り旅、稲垣吾郎さん。

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